練習の状況(第3回) by 後藤清香

ついに「他の計画」の台本が一通り完成した。一体どんなラストに決まったのか、と期待しつつ最後のページを見ると・・・確かに終わりまで書かれているのだが、その後に気になるコメントがついていた。「これはひどいよね・・・。」さらに亀井さんは「練習しているうちに、もっと良い終わり方を考えつくと思うんで・・・多分。」と付け加えた。そんな・・・結局どうなるんですか?その場は何となく重い空気に包まれた。その日以降、誰もラストシーンについて口にしなくなった。みんな見て見ぬふりしているのではないかと時々不安になる。しかし、ここでグズグズしているわけにはいかない。何しろ公演まで後わずかしか残されていないのだ。

亀井さんは「このままでは深夜に集合することになっちゃうね」とまで言い始めた。私は深夜に、メンバーが集まりごそごそと練習している風景を思い浮かべてゾッとした。ダメだ!深夜にあんな事をしているところを誰かに見られたらきっと警察に通報される。特にいしはらさんは間違いなく警察に連れて行かれることだろう。そして翌日の熊日朝刊に「謎の危険思想団体」として載せられるに違いない。そうならないためにも、とにかく練習あるのみだ。無事完成すれば、とても面白いものになるはずである。「無事完成すれば」というところがポイントではあるが・・・。

練習の状況(第2回) by 後藤清香

「他の計画」の準備が着々と進行中である。
一時は「この物語は永遠に終わらないのでは…。」などと不安を抱いたものだったが何とか見通しがついたようだ。
新しいメンバーの橋本君の出演も決まり各登場人物の個性もかなり強くなってきた。亀井さんは「はかどるはかどる」と言いながら次から次へとネタを繰り出す毎日だ。

そんな中で、つい先日ストーリーに大きな変更が加えられた。何だか話に大きな柱ができたというかなんというか…。しかし、公演一月半前でこんなに大胆な事をして大丈夫なんだろうか・・・。 最終的なオチについて何かいいアイデアはないかという亀井さんの言葉に知恵を絞る団員一同だが、亀井さん、いしはらさん、伊澤さんの博識と頭の回転の速さにはつくづく驚かされる。あまりにハイレベルな理系的数学的芸術的民主的革命的理論展開に対し、文系人間の後藤は名誉ある沈黙を守るのみであった。

そういえば昔、亀井さんは「何とか一時間以内でおさめようと思ってます」と大見得を切っていたが、あの話は結局どうなったんだろう。全体が二部構成になるらしいが、第一部の量から考えても一時間以内で終わることはまずあり得ないと思われる。

それからもう一つ気になることは台詞入れだ。亀井さんの「できれば今週中にセリフを入れてもらいたい。」という言葉に劇団員は耳をうたがった。あの、覚えようにも台本がまだ完成していないんですけど…。と、蒼ざめている間に亀井さんから「三部構成になったよ。」とのメールが。この先一体どうなるのだろう。ただ一つ願うことは、せっかく覚えたセリフがカットされませんように、ということだけだ。

練習の状況(第1回) by 後藤清香

今、第七インターチェンジは『他の計画』の準備の真っ最中だ。
ネタを考えては大爆笑したりトホホとなったりしている。練習のはしばしで亀井さんが長いたとえ話をしたり、いしはらさんに芸をしこんだりと、なかなか楽しい。

まだ台本の内容はしっかり決まっていないようで、せっかく覚えたセリフもカットされてしまったり変更されてしまったり。 ストーリーもはじめ聞いてたものとは全く違うものになっている。しかし着々とネタも増え、面白いものになってきているのは確かだ・・・と思いたい。

ただ、ときどき練習中に亀井さんの発する「うーん、これじゃあただの変態だなぁ・・・」という言葉が気になる。 いったい『他の計画』は、そして私はどうなっていくのだろう?

今、第七インターチェンジは大きな不安とかすかな不安でいっぱいだ。

他の計画について

今回の「他の計画」は、昨年から取り組んでいる第七インターチェンジ・リサイクルの一環として企画されました。オリジナル台本としては2作目、4月に入団した新団員にとっては初めての公演となります。

当初はチューリング・テストを題材として人間の実存とか本質とかそういった方面のお話になる予定でしたが、いろいろあってボツになってしまいました。それで、考えもまとまらないまま台本を書き出してしまったので、一体どうなる事やら自分でもさっぱり分からない状態です。

JackaRoe あらすじ

しめじ製造工場で働く労働者達を主人公とした群像劇。

しめじの売り上げ不振がつづくなか、工場の経営陣はしめじ生産ラインを廃止してエリンギの生産に全面的に転換することを決定する。リストラの恐怖におびえる主任のスギタは、新しいしめじ製品の開発により何とか売り上げを回復しようとする。